2025年中学校教科書改訂

2025年中学校教科書改訂

株式会社かえでプロダクションは、小中高校の学習用教材を執筆・編集する編集プロダクションです。開業して15年目。昨年末で音声部を事業譲渡し、ようやく編集部一本で勝負できる規模になってきました。私以外の12名のメンバーはすべて編集部の編集社員で、英数国理社の5科目をそれぞれが担当し、日々研鑽をしております。

さて、現在、弊社内では、2024年の小学校教科書改訂に伴う教材の改訂作業について、無事に校了したものもあれば、上巻が校了し、下巻へと作業が移行しているものもあります。もう少し小学校の改訂作業が続くかなという印象です。これに重ねて、現在、中学校の教科書改訂に伴う改訂作業の予約が入り始めております。また、入試シーズンに合わせて、小中高の入試関連教材や大学入試の共通テスト関連の仕事も入っております。教材によっては、すでに打ち合わせに入っているものもあり、毎日のように会議や打ち合わせを行っています。

話しは戻りまして、教科書改訂の話。ここ一年間の教科書改訂についての流れは以下の通りです。

2024年4月 小学校にて、改訂された新しい教科書の利用が始まる

2024年5月 小学校の新しい教科書について、一般人の購入が可能となる

2024年5月 中学校の新しい教科書の見本本が発表される

2024年9月 中学校の新しい教科書の見本本について、修正箇所が発表される

2025年1~3月 教育委員会が、中学校でどの教科書を使用するか決める

2025年4月 中学校にて新しい教科書の使用が始まる

今回、教科書改訂は「小改訂」。教育指導要領は2020年のものと同じなので、教科書自体は基本的には大きく変わらない方針なのですが、出版社や科目によって、少しさわってきた小学校の教科書もありました。中学校の教科書では、小学英語が必修化されたことに伴う中学英語の見直しがあるのではないかと予想しています。

教科書採択というのは、基本的に一度、採用すると4年間は継続して採用します。そのため「小改訂」といえども、ここは大きなビジネスチャンスです。少しでも採択されやすい教科書になるように、各出版社は創意工夫をこらしてきます。私たち、編集プロダクションもその意向に沿って作業を進めるので、改訂期はいつもバタバタになります。

今回の中学改訂期で、注目されている点の一つに、大日本図書(以下、大日)の教科書はどうなるのか…というものがあります。大日では不祥事があり、今回の改訂による中学校の教科書(理科・数学・保体)の発行を認めないことになりました。前に私のブログにて、教科書のシェア率を記載しましたが、大日の教科書シェア率は、小学理科1位(約30%)、中学理科3位(約26%)、中学数学5位(約5%)、保健体育は約15%となっています。この分の採択がどの出版社に変わるのか。これによって、また教科書のシェア率が大きく変わってきそうです。

兎にも角にも、今年の4月から小学校の新しい教科書の利用が始まり、中学教科書改訂作業がいよいよ始まります。日本の教育はどこへ向かうのか、注目をしていきたいと思います。