2021年度小学校・中学校教科書採択 大阪府

2021年度小学校・中学校教科書採択 大阪府

2020年4月より小学校の新しい教科書、2021年4月より中学校の新しい教科書の使用が始まります。今回は「大阪府」にある小中学校がどの出版社の教科書を使用するのか、簡単にまとめたいと思います。

2020年4月時点、大阪府の小学生の人口は約43万人、中学生の人口は約22万人います。大阪市の小学生の人口は約11.5万人、中学生の人口は約5万人と、大阪府の4分の1を占めています。大阪市の次に多いのは堺市、東大阪市、枚方市、豊中市、吹田市、高槻市で、この6つの市の合計が大阪市の人口とほほ同じくらいになります。

では、もっとも人口の多い大阪市の教科書採択をまとめます。大阪市には4つの地区があり、それぞれで教科書採択が異なっています。まずは小学校。

大阪市第1地区<小学校>国語:東京書籍 算数:啓林館 理科:啓林館 社会:東京書籍

大阪市第2地区<小学校>国語:東京書籍 算数:日本文教出版 理科:啓林館 社会:東京書籍

大阪市第3地区<小学校> 国語:東京書籍 算数:日本文教出版 理科:啓林館 社会:日本文教出版

大阪市第4地区<小学校> 国語:東京書籍 算数:東京書籍 理科:啓林館 社会:東京書籍

小学校の国語は東京書籍、理科は啓林館で揃っていますが、算数と社会は複数の出版社になっています。以前は、算数がほぼ東京書籍だったので、地元の啓林館と日本文教出版がだいぶ盛り返しました。社会は教育出版から総入れ替えとなり、新たに東京書籍が占めました。教育出版の前は日本文教出版(旧:大阪書籍)でしたので、4年ごとに模索が続いている印象です。

続いて、中学校です。

大阪市第1地区<中学校>国語:三省堂 数学:啓林館 理科:啓林館 地理:帝国書院 歴史:帝国書院 公民:東京書籍 英語:東京書籍

大阪市第2地区<中学校>国語:三省堂 数学:啓林館 理科:啓林館 地理:帝国書院 歴史:日本文教出版 公民:東京書籍 英語:光村図書

大阪市第3地区<中学校>国語:三省堂 数学:東京書籍 理科:啓林館 地理:帝国書院 歴史:東京書籍 公民:東京書籍 英語:開隆堂

大阪市第4地区<中学校>国語:三省堂 数学:啓林館 理科:東京書籍 地理:帝国書院 歴史:東京書籍 公民:帝国書院 英語:開隆堂

中学校で一番の注目は歴史。育鵬社から総入れ替えです。一方で地理は変わらず帝国書院。数学も小学校同様に啓林館がシェアを伸ばしました。理科は啓林館が強いものの、第4地区だけ東京書籍に返り咲き。国語は前回の改訂期に引き続き、三省堂で統一。英語はいつもバラバラという印象です。

教科書の業界は4年に一度、教育指導要領が変わるため、そのたびに教科書が変わります。教科書が変わるタイミングで、教科書の選定委員も変わり、一度、採択を決めると4年間の売り上げがほぼ確定します。また、教科書だけでなく、教科書のシェア率が上昇すると、付随するドリルやワークなどの売上にも影響があります。

その中で、 大阪市は今回の教科書改訂期で注目の都市です。それは、学区の編成が8つから4つに減ったからです。 しかも、大阪市は人口が多いので、教科書シェア率に大きな影響があったのではないかと推測されます。