令和3年度小学校教科書 採択ベスト3

令和3年度小学校教科書 採択ベスト3

少し前になりますが、文部科学省のHPで全国の小学校・中学校の教科書の需要数について、発表がありました。需要数とはその教科書が何冊必要とされたかの数です。この需要数から概算でどれくらい採択されたかの占有率が計算できます。それを基にして、小学校の主要科目について、採択された教科書の出版社別にベスト3をまとめてみます。(%は概算 非公開の学年は除いています)

<小学国語> 1位 光村図書 2位 東京書籍 3位 教育出版

小学国語の採択教科書は4種類です。光村は60%以上の占有率で、東書は約20%、教出は約12%です。年度によっては多少の偏りはありますが、光村が強いですね。ちなみに光村は小学書写も50%弱の占有率です。

<小学算数> 1位 東京書籍 2位 啓林館 3位 学校図書

小学算数の採択教科書は6種類です。東書約40%と啓林約30%の2強で、ほぼ7割を占めています。学図・教出・大日・日文は10%以下で、年々2強が目立っているように思います。

<小学理科> 1位 大日本図書 2位 東京書籍 3位 啓林館

小学理科の採択教科書は6種類です。大日約30%・東書約27%・啓林約26%の3強で、今回は大日が1位になりましたが、3強の差はほとんどありません。年度によって順位が入れ替わるイメージがあります。

<小学社会> 1位 東京書籍 2位 教育出版 3位 日本文教出版

小学社会の採択教科書は3種類です。東書が50%以上を占有していますが、3種類しかないので東書を避けたら、教出約25%、日文約15%となった感じでしょうか。ちなみに小学地図は帝国が96%でダンドツです。

<小学英語> 1位 東京書籍 2位 光村図書 3位 開隆堂

小学英語の採択教科書は7種類です。東書が50%以上を占有していますが、光村が約15%もあり、2位なことに驚きます。光村はそれまで国語のイメージが強かったので、光村にとって英語も今後の主軸になってくると思います。

教科書の採択は各地方教育委員会に決定権があります。国が決めてしまえば早いのではないかという声もたまに耳にします。ただ、それは今の日本のいろいろな法律でできないことになっています。戦後の日本を解体していく中で、日本人に帝国主義が定着した原因は、国が教育を主導したからだという考えがあります。GHQはその部分にメスを入れ、教育改革を行いました。その流れがいまも色濃く残っています。結果、現在はいろんな教科書を使っています。まもなく戦後80年。こういう仕事をしていると、まだまだ私たちは戦後の教育の途中なのかなとふと考えてしまいます。

次回は中学校の採択ベスト3です!